デザイン思考バンド

2022年10月16日 19:44
カテゴリ: 竹内王子

「デザイン」という言葉があります。
建築設計の世界では、昔からよく使われる言葉です。
Wikipediaによると「日本語においては審美的な要素を含む計画的行為の全般」ということであるそうだが、最近は、審美的要素(かっこいいとか美しいとか)を含まない計画行為もデザインと呼んだりするので、わかりにくいです。
ユーザー志向の計画やその計画プロセスがデザインであるそうですが、さらにデザインをするように課題に向き合って解決していくことを「デザイン思考」と呼んでいて、さらにややこしくなってます。

この「デザイン思考」。私の捉え方としては、次のとおりです。
・ユーザーの潜在的ニーズを考えて分析(ユーザーに感情移入して考える)
・ニーズに応えるための課題の設定
・課題を達成するための具体的な方法の立案
・その方法のお試し
・方法の改善

ひとことで言うと、
ユーザー志向で、試行しながら、思考すること
です。

これに対して、「アート思考」という思考法もあります。
ユーザー志向で考えると、なかなか突き抜けた考え方が発想できない。
アート思考は、ユーザー本意で考えるのではなく、本人の発想や表現したいことをもとに考える思考法です。

どちらが良いかということではなく、実務的にはバランスが大事だと考えています。

さて、風船うさぎの話ですが、バンドの世界も「アート思考」と「デザイン思考」があるのではないかと思ってます。

本来、バンドマンを含む音楽家は、自分のやりたいことをやるアーティストなんですね。それぞれ好きなジャンルがあって、それぞれの人生経験とそれぞれの才能で表現をする。その楽曲、アンサンブル、歌にオーディエンスは心を揺さぶられて感動する。そして賞賛を受ける。
アート思考です。

風船うさぎは、当然アート思考がベースにありながら、デザイン思考を取り入れた活動をしているのではないかと思います。
お客さんがいかに元気になってくれるか、楽しんでもらえるかを考え、さまざまなアイデアを発想して、試行する。
・心理コーナーでメンバー紹介
・ポイントカード
・ジェスチャーゲーム
・ひな壇でクイズ
・スイカ割り
・FB配信
・バッティングセンター勝負
・ペットボトルでフェイスガード
・風船うさぎTシャツ
・節分に豆のお土産
・一人紅白歌合戦
・トシちゃんジャンプ企画
・ラジオごっこ
・カルタクイズ
・風船おみくじ
・刑事ドラマ
・ジェットストリーム
まあ、いろいろやってます。というかやらされているというか。

これ以外にもボツネタとしては、
・スナックみうみう配信
・風船うさぎと行くバスツアー
他にもいろいろあったな。

昭和歌謡は、作詞家、作曲家がいて、編曲する人がいて、スタジオミュージシャンがいて、歌い手がいて、振付師がいて、何が売れるかを考えながら作られています。
これもデザイン思考ですね。
一方で、スタジオミュージシャンはアーティストなので、それぞれの楽曲で自分のやりたいことをちょこっと入れ込む。これが昭和歌謡の魅力にもなっている。
昭和歌謡の謎のベースライン、めちゃめちゃ多いですから。

風船うさぎも楽曲を完全コピーするのではなく、原曲の雰囲気出しながらちょこっと自分のやりたいことを入れ込んで風船サウンドに仕上げる。
そんなアーティスティックデザイン思考バンドです。

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